恒常性を支える

「脂質メディエーター」

脂質は、心筋梗塞や心不全、脳梗塞などの血管系疾患をはじめ、アレルギーや糖尿病、認知症、うつ病などの精神疾患、癌など様々な疾患と関わっていることがわかっています。

なぜ一つの栄養素でもある脂質がそれほどまでに全身の状態に関わっているのでしょうか?

それは、脂質が全身すべての細胞の膜となり細胞の機能を支えていること、そして更に、細胞膜を構成するある種の脂肪酸から「脂質メディエーター」という体を調整する物質が作られ、恒常性の維持に働いているためです。

​よく知られる脂質メディエーターに、オメガ6のアラキドン由来のエイコサノイドとオメガ3のEPA由来のエイコサノイドやレゾルビン、 DHA由来のプロテクチンなどがあります。

例えばオメガ6由来のメディエーターは全身各所で炎症を起こしたり血液を固めたり、血圧の上昇、動脈硬化を促進をするのに対して、オメガ3由来のメディエーターは、強力な抗炎症作用や、動脈硬化の抑制、心臓保護、アレルギー予防・改善作用などがあります。

このようにオメガ6とオメガ3は相反する働きをしながら、体の恒常性を保っているため、このバランスが崩れると全身に様々な不具合をきたすことになるのです。

大切なのは

「種類」と「バランス」

では全身の細胞膜を健全に保ち、脂質メディエーターのバランスを整えるには、どうしたら良いのでしょうか?

その方法はただ一つ、食べる脂肪酸のバランスを整えることのみです。

 

オメガ3脂肪酸もオメガ6脂肪酸も体内でつくることが出来ない必須脂肪酸なので、食べたバランスがそのまま体内の脂肪酸バランスに現れます。

それは逆に言うと、体内脂肪酸バランスは摂取する脂肪酸のバランスでしか整えることが出来ないということです。
そのため、日々の食事で使うオイルや食材にどのような種類の脂肪酸が含まれるのかを知り、自分の状態に合わせてバランスよくとることで、体内脂肪酸バランスを整えることが大切です。

測る・知る・整える

また、さらに確実に自分自身の体内脂肪酸バランスを知る方法として、体内の比率を測る血液検査があります。

日本リポニュートリション協会では、体内脂肪酸バランスを整える方法として、まずは測って自分の状態を知り、食事でバランスを整えることを推奨しています。

 

脂肪酸の血液検査は医療機関での『脂肪酸分画検査』と、ご自宅でも出来る『自己採血脂肪酸検査』があります。

例えば医療機関の循環器内科では、脂肪酸分画検査でオメガ3のEPA(エイコサペンタエン酸)とオメガ6のAA(アラキドン酸)の比率である “EPA/AA比“ が0.3未満の場合は治療の対象となりEPA製剤が処方されるなど、心血管系疾患の予防において重要な指標となっています。

しかしほとんどの場合、EPA/AAが低値であっても、食事改善で体内脂肪酸バランスを整えることで改善出来ます。

まずは自分自身の体内脂肪酸バランスを知り、食事で整えていきましょう。

 

​日本リポニュートリション協会では医師や脂質研究者、各分野の専門家と連携し、目的や症状に合わせたプログラムをご提供します。